2021-11-21_It’s so sad to watch a sweet thing die…

日記を書きたい書きたいと思いつつ書けない日々が続いた結果、渋滞した経験と感情と思考が玉突き事故を起こして最早何が起きていたのかわからない始末。事故現場たる私の脳内はどこから片を付けるべきか見当もつかないので、まずは散乱した思考の断片を端っこの方から摘み上げて並べてみることから始めよう。

恋人から事実上の別れ話をされたのが約2週間前、11/5の金曜日。
別れたいというわけではないらしいが、しばらく結婚する気はないし、そもそも自分がゆくゆく結婚というものをしたいかどうかもわからないから、もし私が早く結婚をしたいのであれば他の人を探した方が良いと思う、という話だった。
彼の最近の行動や様子を見ていてそんな気はしていたので特に驚きはなく、(向こうからこのタイミングでこの話をしてきたというのは意外だったけれど)めちゃくちゃ冷静に受け止め、お互いの人生における優先度やタイミングについては致し方ないし、私は結婚したいし子どもが欲しいので、合理的に考えればさっさと違う人を探すべきなのだろうね、と答えた。「合理的に考えれば」それが正しいし、お互いにきっと新しい人もいずれ見つかるのだろうし問題はないのかもしれないけど、「私」も「あなた」も一人しかいないというお互いのかけがえのなさというものが捨象されていて悲しいね、と言うと、恋人ははらはらと涙をこぼしていた。曰く、真剣に結婚について検討したのも、別れ話でこんな泣くのも初めてとのことだけれど、そんなんやっぱり私のこと好きなんだから観念して結婚しろと思ったけれど、泣き顔が可愛いなぁと思いながら黙って眺めていた。この人は普段から澄んだ綺麗な目をしているけれど、泣くと長い睫毛に滴が溜まって、それもまた綺麗なのだ。

本人に対しては「かわいいね」と言うことが一番多いけれど(実際に可愛いので)、彼を形容するなら「きれい」と言うのが本来正しい。長身ではないけれど、顔が小さくて手足の長いバランスの取れたプロポーションをしていて、ほっそりしているのに意外と筋肉もあって、皮膚は白くなめらかで毛並みも良い。骨も、筋肉も、皮膚も、体毛も、おそらく血も内臓も、彼を形作るすべてがきれいだなと思う。わたしはこの人の側にいることが、触れることが、そして隣で寝て・起きることがとても好きだ。夜寝る前に、暗闇の中でもほんのり白く浮かぶきれいな顔を眺めて、閉じられた瞳を縁取る長い睫毛をなぞるのが好きだ。朝起きて、日の光を浴びて透き通るようなきれいな顔を見るのが好きだ。ありふれた陳腐な表現だけど、一日の最後に目にするものと、次の日の最初に目にするものがこの人であって欲しいと思う。だけどそんな夜もあと何度過ごせるのだろう? と思うと悲しくて泣きたくなる。

Break my heart
I want to go and cry
It’s so sad to watch a sweet thing die
Oh Caroline, why?

Brian Wilson, Tony Asher「Caroline, No」The Beach Boys

ジム・フジーリの『ペット・サウンズ』を最近折に触れては読み返していて、全然失恋とか関係なく(というか予期していなかったし)ブログに書こうと思っていたのに、リアルに It’s so sad to watch a sweet thing die… となってしまって悲しい。わたくしは音楽の素養がないのがコンプレックスだし音楽については何もわからないが、何もわからなくてもビーチボーイズの『Pet Sounds』は本当に素晴らしいアルバムだと思うし Wouldn’t It Be Nice も God Only Knows も I’m Waiting for the Day も 本当に良くて泣いてしまうよね。

すべての曲は愛についての個人的なステートメントになっている。愛というものはどのような意味を持ち、人の人生のどの場所に埋め込まれていくか? それは人生のかたちを定めるのだろうか。そして愛が去ったとき、あとに何が残るのだろう?

ジム・フジーリ『ペット・サウンズ』村上春樹訳,新潮文庫,P 85

愛というものはどのような意味を持ち、人生のどの場所に埋め込まれていくのか…?????????? 愛が去ったとき、あとに何が、、、、残るのでしょう??
というかさ、冷静に考えて二人の間から愛は別に去ってないのに別れを検討しなくてはいけないの普通に謎だな。うっかり「合理的に考えて」納得しそうだったけど、全く納得いかないぜ。お前はわたしが好き、わたしはお前が好きなのだから、少なくとも愛のある限り末長く幸せに過ごすというのが合理的では? 理(ことわり)に合うのはよ…。

別れる前に恋人の素敵なところを書き残しておこう…という感傷的な気持ちで書き始めたけど書いてるうちにムカついて元気になってきたな。別れる前に…とか言わずこれから先もずっとお前のことをガンガン書いてやるからな、覚悟しておけよ。