なかなか日記を書けなくなったのは、家でPCを開くことのハードルが上がったためだと考えられるので、試しにiPhoneから日記を書けるものかやってみる。文章の練習をピアノの練習になぞらえるなら、当然鍵盤を叩くようにキーボードを叩きたいものだけれど背に腹はかえられない。
薄々予感はしていたものの、やはり別れた方がいいのかもしれない、という話を日曜日に彼からされた。正直なところ私もずっともやもやしていて・そうすべきなのかもしれないとは思っていたから、(それでも私から彼を手離すということには、どうしても踏み切れなかったから) それではここでお別れとしましょうということにした。もやもやした状態を続けていくよりはすっきりして良かったなぁと素直に思ったし、意外と全然元気だな〜と思っていたが、その夜はどんなに湯船に浸かっても・白湯と麻黄湯を飲んでも・暖房を付けてライトダウンを羽織っても、身体の芯が凍ったようでまったく暖まらず、凍りついた身体の中でかろうじて拍を打つ自分の心臓を抱えるようにして、ただただ部屋の暗がりを眺めていた。思わず泣きついた友人には、「明日のことは考えず、震えながら日記なり何なりを書き殴ったほうがいい」と言われたので、眠る努力よりは眠らない努力に力を傾けたけれど、何かを考えたり書いたりするよりも明らかにバグっている身体感覚を味わっているうちに夜は更けていき、いつの間にか眠りについていた。
実のところその夜の時点で「絶対に明日は会社休む」と決意していたので、朝起きてまだ凍りついている身体を確認し、速やかに病休の連絡を入れた。本当のところなら忌引きの特別休暇として5日間ぐらい休みたいところですよ。パートナーを無くしたわけなんだから。
母親に関するあれこれで有休をほとんど使い尽くしてしまっていたから有休を取るのは久しぶりで、その上何の用事もない、無為に過ごせる休日! 雨も降っていて引き続きあまりにも寒いので、ブランケットにくるまりながら猫を膝で寝かせ、こないだ箱買いしたムーミンを読み始める。そして明るいうちからもう一度お風呂を沸かして、前に友人にもらったバスオイルを入れてしっかり浸かると、ようやく少し身体の芯がほぐれてきたような気がした。明るい時間に入るお風呂は身体と精神に良い。
だれだって、自分のねこがどこにいるのか、たしかなことは知りません。たしかなのは、ものすごく自分をすいていてくれるということを、態度でしめされることだけです。
ヤンソン『ムーミン谷の彗星』下村隆一訳,講談社文庫,p187
とりあえず1作目?のムーミン谷の彗星を読み終えたけれど、スニフとこねこの関係がすごく良かったし、こねこの振る舞いが本当に猫で (それはそう) 猫への愛しさが一層増した。どんなに遠く、知らないところまで旅をして、人と出逢い、彗星のことを知り、地球の終わりを目前にしたとしても、このちいさくて自分勝手でただ態度で愛を示してくれる生きものがそばにいてくれるということが1番重要なことだった。
ほんとうに、わたしのねこが今わたしのそばにいてくれてマジで助かってるし、絶対守るし私も愛を態度で示すからね…となったのでした。